僕のパパは、とっても美人で、頭もスマートで、クール。ダディだって敵わないんだ。お仕事の電話にはとても偉そうにしているダディでも、パパが一言「L」って言うだけで叱られた犬みたいになって、パパが許してくれるまで必死に纏わり付いている。ダディの表情はあんまり変わらないけど、とても必死なんだって僕達には分かる。きっとダディはパパがいないと駄目なんだ。
だから、ダディはパパが傍にいなくなるから、学校の送り迎えをとても嫌ってる。「パパを誰にも見せたくないんです」って言ってた。
子供の僕から見たって、とても素敵な僕のパパは、学校に初めて行ったその日から人気者になってしまった。ダディが心配してたみたいに、セキュリティのおじさんも他の子供の親たち、出迎える先生もたくさんの人がパパと話をしようと近づいてきて追い払うのが大変だった。
特に僕の担任になった先生は、僕の事で相談がとか、家庭環境を知りたいとか度々パパを呼び出した。
ある日、車でパパを待っていたら、校舎から出てきたパパが後から先生に抱きつかれた。あわてて車を飛び出した僕が見たのは、パパが相手の手にそっと手を添えたと思ったら、指を掴んで折った。痛がって膝をついた先生に何か言うと車に戻ってきた。大丈夫って聞く僕に、「待たせてごめんね」って言うと、にっこり笑った。
その日から、僕のパパはとっても美人で、頭もスマートで、クール。そして、強いんだ。
だから、僕は大好きなパパと同じ様になりたいのに。それなのに。
「ダディの馬鹿!」
「親に向かって馬鹿とは何です、キラ」
「僕がダディに似てるから、パパみたいにならないの」
濡れた髪をドライヤーで乾かしたら、ダディみたいに滅茶苦茶に跳ねた。パパが梳かしてくれるけど、髪の毛は言う事を聞いてくれない。
髪の色はパパとそっくりなのに…。
「ねぇ、キラ。髪、伸ばしてみたら?」
ソファーに足を乗せていじけていたら、ミサが僕の髪を摘んで言った。
「…メロちゃんみたいに?」
「長かったら、癖も言う事を聞いてくれるわよ」
「ホント?」
「うん。ミサが結んであげるね。お気に入りのリボンもキラにだったらあげるよ」
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