しかし神様も神様だ。
どうせならゲームも一緒に付属してくれりゃよかったのに。

この白い世界はちょっと退屈・・・かも。

まるで小憎たらしい銀髪くんの解くジグソーパズルの中に入り込んだような錯覚に陥る。
なあ。
ミルキーワールドはどこまで続く?



「マット・・・か?」


ふいに名を呼ばれ俺の全身がピクリと反応する。
聞き覚えのある声がして、背後を振り返った。


ああ。
やっぱお前も。

そっか。
・・・そっか。


出来る事ならば生きてて欲しかった。
死神に差し出した、この魂と引き換えに。
お前は上を目指して。
俺はそれを質の違う上から見守るんだ。

俺のいない世界にお前一人残る、故意の誘導に気が引けたのも事実だけど。
ああ。
先にゲームオーバーになった俺が本当はこんな事言う筋合いはないんだけど。


最後まで守れなかった俺が、悔やまれるよ。

傲慢かな?
それとも自惚れ?
だけど。
ゴメンな、メロ・・・。



それはそれは複雑だった。
が、俺は精一杯の笑顔で応えたんだ。


「おう!
ソウルメイト!」

「ソウルメイト?
なんだそりゃ?」

キョトン顔のメロ。
相変わらず強い蒼を秘めた瞳が俺を射抜く。
懐かしい。

ああ。
やけに懐かしい。


「俗世での繋がりが強いとさ、こうしてまた巡り会うんだってよ。
それがソウルメイト」

「そうなのか?」

「そそ。
俺らの絆の強さがこれで証明されたって訳で!
つかお前、何だよ。
ホイホイこっち側に来てんじゃねーよ」

「悪いか!」

「悪くない!!」


飛び付いたメロの肩は相変わらず華奢で。
なんだか無性に泣きたくなったんだ。


「お疲れ、メロ・・・」

「お前もな」

本当にお疲れ様だよ。
突っ走って。
全力で突っ走って。
傷つく事さえも恐れない。

真面目で一途でどうしようもない俺のハニー。


「再会のキス!!」

「ちょ!・・・ンッ」




やっぱ予想通り。
どうせ自爆したんだろ?
目に見えないIEDたくさん抱えたまんま。
※簡易手製爆弾

ああもうお前ってヤツは。

抱き締める腕に、ついつい力が入った。


こうなってしまったのなら仕方ない。
いくらここがヘブンだとしても過去を変えるのは無理なのだから。
メロとまた会えた。
その事実を喜ばない手はないだろ?

忌々しい未来予想図よ、ありがとう。
どうやらポジティブシンキングも健在のようで。

メロの柔らかい口唇に溺れそうになりながら、そんな事を思ったんだ。



「ったく、相変わらず手が早い奴だ」

「ちょ、拭くなよ!
なんか傷つくわそれ」

「なあ、ここには俺らだけなのか?」

華麗にスルーとかね。
変わってなくて何より。
ツンデレハニー。


「今んとこそうだけど・・・何?」

「L・・・は?」

「L?
あいつなら既に転生の準備してんぜ。
キャンディとキャラメルごっそり抱えて。
相変わらず生き急ぐよなー。
てか死に急ぐ?」


赤ん坊は産まれてくる時に、両親を自ら選んで誕生すると聞くが。
アイツはまた、世界の切り札の道を選択しやすい環境に身を投じるのだろうか?
俺には到底理解の出来ない、ロジカルな選択。

「そうか」

メロは今にも泣き出しそうな、頼りない少年の表情を見せた。


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